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40代サラリーマンです。40代のからの学びや体験、悩み、子育てなどを主に綴っていきます。読者の方の学びや気づきのお手伝いが出来たらと思います。

漱石の芸術感に触れられる作品 「草枕」

  こんにちはyasuです。

 今日は夏目漱石草枕を取り上げたいと思います。

 

 

 

どんな作品

 

 

草枕漱石の初期の作品です。小説の冒頭にある

「智(ち)に働けば角(かど)が立つ。情に棹(さお)させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角(とかく)に人の世は住みにくい。」

草枕」から引用

 

という書き出しが有名です。

 

この作品は、漱石の長い独り言じゃないかというぐらい漱石の思想が反映されています。人の世は住みにくい、しかし住みにくいからといって人のいない世界に越すことはできない、住んでいる間を少しでも住みやすい世界にする為に芸術は必要だ。それ故に芸術は人の心を幸せにするから尊いと物語の主人公はいいます。

カナダのピアニスト、グレン・グールドも愛読していた作品です。

 

あらすじ

 

主人公が温泉宿に宿泊して、旅館の若い女将である那美という女性に出会います。那美は離婚歴のある女性です。ある時、那美から自分の絵を書いてほしいと頼まれます。

 

主人公は書きたいと思いますが、どうも絵を書くには、彼女には何かが足りないと感じます。その時は何が足りていないか、主人公には理解できていませんでした。

 

物語のラストで那美の元旦那との別れの場面に遭遇したときに彼女の顔に出ていたのは、「憐れ」という感情が出ていました。その時に主人公は彼女に足りていないのは「憐れ」という感情だと気づき、彼の頭の中で絵は完成します。

 

感想

 

この作品は筋という筋がなく、ただただ主人公の芸術に対する思想感が綴られています。私はこの作品のいい所は、読むたびに主人公と一緒に温泉宿に行って俗世間から離れているように感じられる事です。仕事や生活で嫌なことがあった時に読むと不思議と温泉に行って、安らぐような感じを持つことができます。主人公は物語の途中で小説について次のような会話を那美とします。

 

「勉強じゃありません。只机の上へ、こう開けて、開いた所をいい加減によんでいるんです。」

「それで面白いんですか」

「それが面白いんです」

「何故?」

「何故って、小説なんか、そうして読むほうが面白いんです」

(省略)

「不人情じゃありません。非人情な惚れ方をするんです。小説も非人情で読むから、筋なんかどうでもいいんです。こうして、御籤(おみくじ)を引くように、ぱっと開けて、開いた所を、漫然と読んでいるのが面白いんです」

 「草枕」から引用

 

  この小説も筋といった筋がなく、ここに書かれているように、どこから読んでも面白い小説です。主人公の芸術感を通して、漱石の芸術に対する思想が伝わってきます。はじめにも書いたとおり草枕はピアニストのグレン・グールドの愛読書でもありました。小説に通じている安らぎや、漱石の芸術感に惹かれたと言われています。

 

今日ほどグローバルではない時代に、国を超えて読まれてる「草枕」をぜひ読んでみて下さい。